復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

「お兄様……」

「来るのが遅くなってごめんね。もう大丈夫だから」


 ゼリックがわたしをよしよしと撫でてくれる。我慢しきれず、ポロポロと涙がこぼれ落ちた。


「いい加減にしなさい! わたくしを馬鹿にしたこと、後悔させてあげる!」


 と、フランソワーズ様が口を挟んでくる。彼女は口の端を吊り上げながら、わたしたちを見下してきた。


「あなたに傷害を加えられたとわたくしが訴えたら、ゼリック様はどうなるかしら? 当然、王太子殿下の側近候補からは外されるし、王宮魔術師への道は閉ざされるでしょうね? それに、ご両親にも迷惑がかかるでしょうし、最悪の場合は爵位を剥奪されるかしら?」

「構いませんよ」

「……は?」


 勝ち誇ったような表情を浮かべていたフランソワーズ様は、ゼリックの返事を聞いて顔を歪める。