復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

(ゼリック、本気で怒ってる)


 わたしにはわかる。これ以上ゼリックを怒らせたら本当にまずい。先程まで感じていたのとは別次元の恐怖を感じながら、わたしは背筋を震わせた。


「こんなことをして、ただで済むと思わないで!」

「その言葉、そっくりそのままお返しいたします。僕の大切なリビーを傷つけようとして、無事でいられると思わないでください」


 フランソワーズ様の脅しにもゼリックはまったく怯んでいなかった。むしろ、ギリギリと腕を掴む力を増しながら、怒りを深めていっている。


「お、お兄様! あの! わたしはもう大丈夫ですから!」

「大丈夫じゃないよ!」


 ゼリックはそう言ってフランソワーズ様を解放したかと思うと、わたしを力強く抱きしめてきた。


「怖かっただろう? あんなことをされて平気なわけがない。……それに、リビーが傷つけられたら僕がちっとも大丈夫じゃないよ」

「あ……」


 ゼリックの心臓がわたしと同じぐらいバクバク鳴っているのが伝わってくる。ゼリックが本当に怖かったんだってことも。そしたら、不思議とすごく安心できたし涙が込み上げてきて、わたしはゼリックを抱きしめ返した。