復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

「いったいなにをしているんですか、フランソワーズ嬢?」


 ゼリックが言う。これまで一度も聞いたことのないようなドスの利いた声だ。


「なっ……どうしてここが?」

「家からリビーがこちらに向かっていると報告が入ったので、迎えに行くところだったんです。けれど、途中で信じられない光景が目に入りまして……これはどういうことでしょう?」


 言いながら、ゼリックはフランソワーズ様の手首を捻り上げる。フランソワーズ様は「痛い!」と大声で叫んだ。


「離して! わたくしを誰だと思っているの!」

「シュベリーヌ公爵家のご令嬢でしょう? 存じ上げていますよ」


 ゼリックが笑う。けれど、目がちっとも笑っていない。