「信じられないでしょう? ゼリック様はわたくしの婚約者に選ばれるということがどれだけ名誉なことなのか、ちっとも理解していないの。たかが伯爵家の令息に声をかけてあげたというのに、まさかあんなふうに断られるなんてね」
フランソワーズ様はわたしを見下ろしながら眉間にシワを寄せていく。強い怒りの感情を感じ取って、ゾクリと背筋が震えた。
(待って。この状況、ものすごくまずいのでは?)
校門からも校舎からも遠く離れ、わたしたちは二人きり。なにかあっても、誰もわたしを助けてくれない……というか気づいてもらえない状況だ。
「あ、あの! わたしやっぱり出直します。お兄様もいきなり来られたら困ると思うし……」
急いでそう言ったものの、フランソワーズ様がわたしの手をグイッと引く。それから至近距離へと迫ってきた。
「許せないのよ。わたくしとあなたを天秤にかけたあの男が。ねえ、どうして? わたくしと結婚をしたら、ゼリック様は公爵家と縁付くことができるし、今よりももっと大きな力と名誉を手に入れられるのよ? それなのに、どうしてあなたのために婚約を断ったりするの? あの男はいったいなにを考えているの?」
「わ、わたし……」
そんなこと、わたしだって知りたい。
ゼリックはどうしてわたしにこだわるの? どうして公爵令嬢からの誘いを断ったりするの? どうして自分の幸せを一番に考えないのよ!
フランソワーズ様はわたしを見下ろしながら眉間にシワを寄せていく。強い怒りの感情を感じ取って、ゾクリと背筋が震えた。
(待って。この状況、ものすごくまずいのでは?)
校門からも校舎からも遠く離れ、わたしたちは二人きり。なにかあっても、誰もわたしを助けてくれない……というか気づいてもらえない状況だ。
「あ、あの! わたしやっぱり出直します。お兄様もいきなり来られたら困ると思うし……」
急いでそう言ったものの、フランソワーズ様がわたしの手をグイッと引く。それから至近距離へと迫ってきた。
「許せないのよ。わたくしとあなたを天秤にかけたあの男が。ねえ、どうして? わたくしと結婚をしたら、ゼリック様は公爵家と縁付くことができるし、今よりももっと大きな力と名誉を手に入れられるのよ? それなのに、どうしてあなたのために婚約を断ったりするの? あの男はいったいなにを考えているの?」
「わ、わたし……」
そんなこと、わたしだって知りたい。
ゼリックはどうしてわたしにこだわるの? どうして公爵令嬢からの誘いを断ったりするの? どうして自分の幸せを一番に考えないのよ!



