「けれど、あなたのお兄様はそう思っていないみたいなの。自分がこの世で一番偉いとでも思っているのかしらね?」
「え? えーと……」
ゼリックに限ってそんなことはないと思う。ただ、必要以上に誰かを褒めたり持ち上げたりしないタイプってだけで。むしろゼリックはいつだって謙虚だし、素直で優しい人だと思うんだけど。
(なんだか急に雲行きが怪しくなったような……)
不穏な空気を感じつつ、わたしはそっと胸に手を当てた。
「わたくしね、ゼリック様に言ったのよ。『あなたをわたくしの婚約者にしてあげる』って。だけど、あの男はなんてこたえたと思う? 『妹がいるから婚約者はいらない』って、そう言ったのよ?」
「ええ!? それ、本当ですか?」
まさかそんなやり取りが行われていたとは。わたしは目を丸くしてフランソワーズ様を見つめ返した。
「え? えーと……」
ゼリックに限ってそんなことはないと思う。ただ、必要以上に誰かを褒めたり持ち上げたりしないタイプってだけで。むしろゼリックはいつだって謙虚だし、素直で優しい人だと思うんだけど。
(なんだか急に雲行きが怪しくなったような……)
不穏な空気を感じつつ、わたしはそっと胸に手を当てた。
「わたくしね、ゼリック様に言ったのよ。『あなたをわたくしの婚約者にしてあげる』って。だけど、あの男はなんてこたえたと思う? 『妹がいるから婚約者はいらない』って、そう言ったのよ?」
「ええ!? それ、本当ですか?」
まさかそんなやり取りが行われていたとは。わたしは目を丸くしてフランソワーズ様を見つめ返した。



