復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

「旧サウジェリアンナ王国領はまだ街道や河川の整備、資源の開発が不十分で、もっと豊かになる可能性を秘めた土地です。けれど、直轄領のままではどうしても手が行き届かない。それでは、国民のためという名のもとに滅ぼされた王家の方々に顔向けができません。ですから、僕が貰い受けたい。責任を持って治めたいと思っているんです」


 ゼリックが言う。わたしはだんだん目頭が熱くなってきた。


(知らなかった)


 ゼリックがそんなことを考えていたなんて。サウジェリアンナ王国や滅ぼされた王家のことを覚えている人間なんて、わたしぐらいしかいないんじゃないかって思っていた。それがあまりにも悲しくて悔しくて、考えないようにしていた。だけど、誰かの口から語られるのを聞いてしまうと、胸がとても苦しくなる。