復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

「せ、せっかくお兄様が帰ってまいりましたので、このまま同席させてもよろしいでしょうか?」

「ええ、もちろん」


 参加者たちはそう言ってニコニコと微笑んだ。


(まだよ)


 今ならまだ挽回できる。ゼリックのほうだって、話をしているうちに「この子いいかも」って女性が見つかるかもしれないし。
 わたしの隣に腰掛けるゼリックをちらりと見つつ、わたしは満面の笑みを浮かべた。


「ゼリック様はアインハード殿下の側近候補でいらっしゃるんでしょう?」

「本当に素晴らしいことですわ。神童現ると話題でしたもの!」

「わたくしの両親など『ゼリック様を見習え』と毎日のように兄へ申しておりましたのよ?」


 お茶会が再開されると、令嬢たちはゼリックへ質問や賛辞を投げかけはじめた。


(これよ、これ)


 これなら視野の狭いゼリックだって、わたし以外の女性に目を向けようと思うに違いない。どんどん会話して、どんどん褒めて、めちゃくちゃ好感度を上げてほしい。わたしが令嬢たちに期待の眼差しを向けていると、ゼリックがそっと目を細めた。