復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

(……って、そんなことして大丈夫なの?)


 服装から判断するに、この人は魔術師だ。しかも、見たことがない紋様が刺繍されているから、サウジェリアンナ王国の魔術師ではなく、城を襲撃した側の人間である可能性が高い。

 それなのに、王女であるわたしをこっそり家に連れて帰るなんて、リスクがあまりにも高い行為だ。……いや、そのおかげでわたしは命拾いしたんだけど。


「家にはね、ゼリックっていう五歳のお兄ちゃんがいるんだよ。とっても優しい子だから、君も大好きになると思うんだ」


 男性がニコニコと能天気に笑う。わたしは思わずギョッとしてしまった。


(この人、妻子持ちなのにこんな行動を?)


 わたしが生きていることや匿っていることがバレたら、この男性だけじゃなくてその家族まで命の危機にさらされてしまうのに!
 多分、雰囲気からして超のつくお人好しなんだろう。助けてもらったわたしが言うのもなんだけど、すごく心配になってしまう。