鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜

「助けて」



だった。




私はその時理解できなかった。


だって知らない人が家に来て、また次の日に来てて。そんな人が助けてって言ってるんだよ。不審者すぎるでしょ。




でも脳内では不審者だと思っていても体が動いていく。いつの間にか私は、



「どうすればいい……?」




と言っていた。




「こっちの世界に1度来てみない……?」




「どういくの……?」




その時のハルは私が言葉を発しても知らんぷりして、背中を向けて鏡の世界の方へ歩いてってる。




私はとりあえず鏡に手をかざしてみた。そしたら手が鏡に吸い込まれてって、私が手を入れたところから、水の波紋がどんどん広がっていった。でも入れた手には水の感覚はしない。すごい、すごい、変な感じ。





このまま私はもしかしたら鏡の世界に入れるのかもしれない。



今思えば、自分が知らない世界に簡単に踏み込むなんて、自分のことをバカだと思ってしまうかもしれない。



でも、私はハルが言っていた、幼なじみという言葉について考えていた。
幼なじみだから、もしかしたら私が忘れているだけでも体が覚えているのかもしれない。