鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜

私は近くにあったシャープペンシルの先を向けて不審者だと思われるとっても顔が綺麗な男の子に言い放った。




「あなた誰ですかっ!勝手に部屋に入るのは不法侵入ですよっ!」


わたしの言っていることは、正しいことで、正論なはずなのに……。


不法侵入男の子は顔を曇らせていって……。


「……っ!
お、覚えてないの?俺のこと。」




なんで、なんで、あの男の子のほうが苦しそうに言っているの……?



私は、自分の部屋に知らない人がいるというのに……!



「知るわけないじゃないですか……!わたしの記憶のなかにこんな人いまん……!」


もちろんこれは本当だ。だって知らないんだもん。たとえ知人だったとして、こんな人絶対覚えてるもん……!




「ぼくはハルだよ……?晴れに波って書いてハルだよ……?」




とにかく知らない……!私はそんなに「ストーカーが……」とか「盗撮が……」とかそんなこと全くないような人なんだけど……!

……えっ?こういうときってどうすればいいの……?


わ、わかんない……。


私は完全に思考がフリーズしている。


頑張ってひねりだしたこたえは……。


とりあえず、ママだ……!



「ママー!!家に知らない人がいる……!」


私は、階段を下る途中
「ダッ、ダッ、ダッ、ダッ。」
と音を響かせていた。

そんなで、この緊急事態に気づいてくれると思ったんだけど……。



「はぁー!何言ってんの?亜紀!本当?」


もうちょっと私のことを信じてよぉ〜。


「本当だよ……! じゃあ私の部屋来て……! おねがい……!」



ーー


私のもうれつなアタックにまけ、ついてきてくれたママ。

私の部屋にママを連れてきたはいいんだけど……。




ハルはというと……、


鏡の中で不敵な笑みを浮かべているのに……、



「あれっ?いないわよ?」



何故か、ママにはハルが見えない……!