こもれび日和

それはまるで約束のように聞こえました。

そして本当に、翌朝も翌々朝も、2人は同じ時間の同じ電車で顔を合わせることになります。

ある雨の日。

蘭が駅に着いた瞬間、傘を家に置いてきてしまったことに気づいた時、蘭は動揺してしまいました。

「あぁ、どうしよう!?」

「傘、持ってないの?」

「はい」

「じゃあ、駅前のカフェに立ち寄らない?雨が弱まるまで」

律がそう言うと蘭は少しためらいました。

「…はい」

カフェに入ると、ガラス窓に当たる雨の音だけがゆっくりと反響していました。

「蘭さんは、コーヒー飲めますか?」

「はい。薄めのなら。甘いものも好きです」

「じゃあラテにしましょうか?半分こにしましょう」

「え、それは!」

ラテの前で、2人は向かい合って座りました。

電車の中では感じなかった、やや恥ずかしい距離でした。