こもれび日和

「謝ることじゃないよ」

律は、
ゆっくりと首を振った。

「分かってた。
 簡単には、うまくいかないって」

「でも……」

「俺、悔しかったけど、
 お父さんの言ってること、
 全部が間違ってるとも思わない」

蘭は、驚いたように
律を見上げた。

「俺たちの仕事、たしかに不安定だし。
 未来の数字、
 何ひとつ言い切れないのも事実だから」

「……」

「でもさ」

律は、
そっと蘭の手を取った。

「それでも一緒にいたい、っていう気持ちが
 嘘じゃないのも、事実なんだよな」

蘭の目に、
また涙がにじむ。

「だから、諦めたくない。
 時間がかかっても、
 ちゃんと仕事続けて、結果出して、
 お父さんに
 『それでも無理だ』って
 言わせないくらいのもの、見せたい」