「お前には、
もっと堅実な道を歩んでほしかった。
教師になると言っていた時期もあっただろう。
それならまだ分かる。
だが、小説家など——
『いつまで食べていけるか分からない仕事』だ」
「……でも、私は書きたくて——」
「そんな不安定な仕事同士で、
家庭を持とうなど、
甘いにもほどがある」
「甘い、って……」
律の声が、
かすかに低くなった。
「たしかに、
僕たちの道は、
堅くはないかもしれません。
でも、簡単でもないです」
蔵之介は、
じろりと律を見た。
「学生気分で語る理想論など、聞きたくない」
「僕は、本気です」
もっと堅実な道を歩んでほしかった。
教師になると言っていた時期もあっただろう。
それならまだ分かる。
だが、小説家など——
『いつまで食べていけるか分からない仕事』だ」
「……でも、私は書きたくて——」
「そんな不安定な仕事同士で、
家庭を持とうなど、
甘いにもほどがある」
「甘い、って……」
律の声が、
かすかに低くなった。
「たしかに、
僕たちの道は、
堅くはないかもしれません。
でも、簡単でもないです」
蔵之介は、
じろりと律を見た。
「学生気分で語る理想論など、聞きたくない」
「僕は、本気です」
