こもれび日和


「お前は今、何をしている」

「小説を書いています。
 新人賞を頂いた作品の単行本も出ました。
 連載の話も、少しずつ……」

「つまり——」

蔵之介は、
ゆっくりと視線を二人に移した。

「どちらも、安定した職ではないということだ」

その言葉は、
刃物のようにはっきりとしていた。

「いえ、僕は会社員として——」

「出版社の不景気は、
 新聞を読めば分かる。
 食品メーカーも、何があるか分からん。
 ましてや、本だのブログだの、
 そんなものがいつまで続く」

「お父さん、それは——」

「黙っていなさい、蘭」

ぴしゃり、と
テーブルの上を叩くような声が飛ぶ。

蘭は、思わず身をすくめた。