こもれび日和

「はい、どうぞ」

「あっ、ありがとうございます!」

蘭の声は少し緊張していました。

その声は明確で、律の耳に残りました。

「その作家、僕も好きです」

「えっ、本当ですか?あまり話題になっていないですけど」

「この作家の文章、料理の説明がとても丁寧に感じるんです。読むと、なんだか料理がしたくなる」

「わかります。私、この人みたいな物語を書いてみたいんです」

その蘭の言葉に律の心は急に温まりました。

「私、実は小説を書いたりしているんです。まだ誰にも見せられませんけど」

蘭は恥ずかしそうに笑いました。

蘭の笑顔は律にとって、とても眩しいものでした。

2人で電車から降りる駅は同じでした。