こもれび日和

蔵之介は、
黙って頷くだけ。

蘭も、隣で
ぎゅっとスカートを握っていた。

心臓の鼓動が
やけに大きく聞こえる。

(言わなきゃ)

「お父さん」

蘭は、
自分の声が震えていないか確かめるように、
一音一音確かめながら話し始めた。

「私たち……
 結婚したいと思っています」

一瞬で、
部屋の空気が変わった。

蔵之介は、
表情を動かさないまま、
ゆっくりと娘を見た。

「……いつから、そんな話をしていた」