こもれび日和

蘭の胸に、
少し震えるあたたかさが広がった。

「……はい」

数週間後、
蘭の実家のリビング。

テーブルの上には、
娘のためにと蔵之介が用意した
和菓子と煎茶。

その向こう側に、
蔵之介が座っていた。

仕事帰りなのか、
ネクタイはわずかに緩められているが、
表情は固いままだ。

「先日は、卒業式でご挨拶だけでしたが……」

律は、
緊張で少し汗ばむ手を膝の上で握りしめながら、言葉を選んだ。

「本日は、お時間をいただき、ありがとうございます」