こもれび日和

そう言って近づいてきた蔵之介に、
律は慌てて頭を下げた。

「は、初めまして。春夏秋冬律と申します。
 蘭さんと同じ大学で——」

「料理の勉強をしているというのは聞いている。」

短い言葉。

だがその中に、

「まだお前を認めたわけではない」という、重さが、はっきりと含まれていた。

「今日はおめでとうございます」

律の母・聡恵が笑顔で言ってくれたおかげで、
その場はなんとか和やかに解散した。

だが、蘭の胸の中には、
小さな不安が残った。

(この先のことを話したら、
 お父さんはどう思うんだろう)