こもれび日和

「会ってみたらどうですか? 編集の人に」

「うん。今度の休みに、行ってみようと思う」

「……いいなぁ」

ぽつりと漏れた言葉に、
律は首をかしげた。

「何が?」

「律さんの料理が、本屋さんに並ぶんですよね。
 私、本屋でそれを見つけて、
 『これ、私の好きな人のご飯です』って
 心の中で自慢するんです」

「ちょっと待って、最後の一文、反則じゃない?」

じん、と胸の奥が熱くなった。

「じゃあ、そっちは? 小説。
 新人賞の結果、そろそろじゃなかった?」

「……はい。来月あたりに、一次選考の発表が」
「きっと通ると思うけどなぁ」

「通らなくても、書き続けます。
 でも、通ったら……少しだけ、自信になります」

蘭はそう言って、
カップのラテをひと口飲んだ。