(俺)と「私」の諸事情

はぁ。着替えるしかないのか。

…まぁ、飛行機乗って降りるまでの時間だから!
うん、だいじょうぶ。

元着ていた服を脱いで、女装グッツを着る。
そして、鏡の前に立ってみた。

鏡に映っているのは明るめのモカベージュの髪色、腰あたりの長さで先が少しウェーブしている。

ちゃんと胸があって服装は、七部袖で腰と袖口がキュッとなっている、ふんわりとしたエメラルドグリーンのワンピースとグレーのカーディガンだ。

…ごめん、自分。

女子にしか見えない。
何だったら芸能人の女の人よりも可愛いかもしれない。

あ、父親を待たせてしまう。
紙袋に着ていた服を入れて再度スーツケースを持ち、部屋のドアを開けた。

すると目の前には父親が立っていて、

出てきた俺を頭からつま先まで見る。すると、

「行くぞ。」

と言った。…いや、ノーコメントかよ!?
まあそれが父親だけどさ。

俺は父親に続いて家を出た。