「和ちゃん。部活終わった?」


「優。保健室で待ってろって言っただろ?」


「だって。そろそろ終わるかなって。」


俺は高木和也。


彼女は原田優実。


俺たちは幼なじみで。


恋人。


優実は身体が弱い。


すぐに熱をだす。


今日だって、さっきまで保健室で寝てた。


「熱は?」


俺は優の額に手を置いた。


優はそれを素直に受け入れた。


「んー大丈夫。」


「何が大丈夫だよ。早く帰るぞ。」


「うん。」


優は嬉しそうに、俺の手をとった。


寒い冬。


ちらちら雪が降っていた。


「マフラーは?」


「今日ね、家に置いてきちゃた。」


「たく、しょうがないやつ。」


俺は自分の首に巻こうとしていたものを、優の首に巻いた。


「あったかい。」


にっこりほほ笑む。


自分で言うのもなんだけど。


俺はこの笑顔に弱い。