好きなのは、気のせいだ。

STEP4
今日は、待ちに待った文化祭。




私は、モヤモヤした感情を持ってる自分を紛らわそうと
仕事に没頭するんだ。忙しくすれば、考えることもない!




「あ、宇田川さん、やるきまんまん!」






「はい!」






「あ、じゃあ3階のフォローお願い!」




「了解です!」


よし、走り回るぞ!






忘れなくっちゃ。この気持ち。
というかそもそも、こんな気持ち持ってなかったんだ。はじめから。




はじめからーーーー


ドンッ




前を見てなかったから、ぶつかっちゃった……。


「あ、ごめんなさ…」






か。会長……。






「ううん、怪我してない? どうした?」






せっかく忘れようとしたのに。


顔を見ただけで。
声を聞いただけで。
私の心は揺れてしまう。




「あ、はは!3階のフォロー行くんです!それでは!!」




「…。」




顔見れない。


タタッ…。
私は走った。






「宇田川さーん」


「はーい」




「次こっち―」




「はーい!」








「たすけてーーーー」






「はーい!」






動けばいい。私はこれで、会長の事考えなくて済む!
これで、これで…。






ぐいっ




え。


誰かの胸に引き寄せられる。






「おい、宇田川さんを使いすぎ。」




この声…。


「か、会長…」




「宇田川さん、ちょっと来て」




なんで。






誰もいない生徒会室へ連れてかれる。




「ねえ。」




真顔の会長。
目が会うのはいつぶりだろう。




怖い。




優しい会長はここにいない。






「一人で抱え込んでる??」




「いや、あの、、えと、、」




後ずさりしてるのに、会長は近寄ってくる。




ドンっ。




壁にぶつかった。
私はもう後ずさりできない。






会長はまだ近づいてくる。


いや、これ以上は…。


ドン。


会長の手が壁に当たる。




「最近、頑張りすぎてない?無理してない?」




会長の困った顔…。
初めて見た。




「ごめん、こうゆうのがきっとプレッシャーなんだろうな。会長の僕がいうと、重たく感じさせてるよな…。」






え。ち、違う…。
ただ、私が、、、会長に対する気持ちを抑えるためにしてたこと。


「会長は何も悪くないです…!むしろ私ーーー」




ばちっ。




目が合う。






今までにないくらい近距離で。






「…むしろ?何?」


「うっ…」




伝えちゃだめ。




迷惑だ。
あくまで、会長は、生徒会メンバーとして心配してるだけ。






「みんなの力になれるのが嬉しくて!!頑張りたいんです!!!!」




「…。」




あれ、私、言葉間違えた??




会長は、どんな表情してーーーー




会長はスマホを取り出して、誰かに電話をし始めた。


「あ、3階のフォロー、佐藤さんと山田さん行ってほしくて、よろしく」




え。


電話を切った会長は、私をまっすぐ見た。


「仕事は大丈夫。だから、一緒に文化祭回ろう」




え。え。
嘘だ。
私、会長に誘われてーーーー




「あーーーこんなところにいた!!和哉くん!」






この人だ…。
名前呼びとか羨ましくもあり、苦しい。


見てられない。


「あ、私はこれで失礼します…」


これで、去ろうーーーー




ぐいっ。




「どこ行くの?」


手をつかまれる。




強い。


なのに、、、目は悲しそう。




会長、やめてよ。私は、会長を諦めたいのに。




「和哉くん!困ってるよ後輩ちゃん、」




「ちょっと、ごめん。僕は、宇田川さんと話したい。静かにしてほしい。」






「…!?」




何でよ。何でよ。私をこれ以上この場にいさせないでよ…!!




「会長…恋人は大事にした方がいいです!!」






い、い、言えた…!!!






「…」




あ、あれ???




会長がさらに強く手を握る。




「あのさ。.......恋人じゃない。」


え。




「やっぱ名前呼びやめてほしいわ。」




「えーーーー。いいじゃんか~~~」




「嫌だ。こうやって、本当に好きな人に勘違いされるの本当に無理。」






「あの、宇田川さん。この人は、いとこ。」




「……え。」




「ん?」


ちょっと待って。今、なんていった会長…




「和哉くん、後輩ちゃんのこと好きなんだ」


「え。何でばれて…」


「今、本当に好きな人って…」




「……」


「……っ!!!!?」


一気に顔が真っ赤になる会長。




え。え。
私も思わず顔が火照る。






「宇田川さん、いや、、あ、、、えと」






タジタジする会長、見たことない。
かわいいと思ってしまう。




思わず笑顔になってしまう。




その笑顔を見た会長は真顔に戻って、
「宇田川さん、好きだ。」
「最初はただの後輩だった。でも、守りたい、側にいたいと思うようになってた。」
「付き合ってほしい」


そんなの、答えは決まっている。


「会長…私で良ければ……」








会長はキラキラな笑顔になった。






私も、笑顔に自然となった。








「会長って、人の困ったことを察知する能力優れてますよね。私、それにたくさん救われました」




「あーーー、それ、宇田川さんだけだったりする。」






「え?」






「宇田川さんのこと無意識のうちに目で追ってて。で、体が勝手に動いて助けてたり、声かけてたりしてた。」






「!???」




私の心臓は早くなる一方だ。










おわり