【完結】Dressyに恋をして

そんな感じでスタートしたデートはいつも以上にギクシャクしており、社長は東京23区をぐるぐるとひたすら車を走らせるだけだった。

「あのー…?」

流石に様子がおかしいし、聞いてみる。

「お前に、江波に、告白しなきゃならない事があるんだ…」

「え、何ですか?」

軽く尋ねる私に社長はレインボーブリッジの見える例の公園に車を停めた。

「ずっと…
言えなくてさ…

俺…












片瀬なんだよ…」

は…?

なんて言った…
今…

私の時間は止まった…

が、また、ゆっくりと動き出し、社長の肩を叩いてこう言った。

「まっさかぁ!
だって、社長は九条、じゃ無いですか!
片瀬って…
何かの…冗談…
です…
よね…?」

語尾が段々と弱くなっていく。

「九条は…
再婚した母親の姓で、本当は片瀬麗夜だ…」

「だ、だ、だって!
片瀬は、巨漢だし、ニキビで…!」

私は混乱から呼吸が荒くなる。

「落ち着いて…
聞いてくれ…
騙すつもりは無かったんだ…
だけど、言い出すタイミングが…」

「そんな…
片瀬…なの…?」

「あぁ、久しぶり…ってのもおかしいか…」

「ごめ、ごめんなさい、私…
酷いこと…して…」

私の瞳からは涙が溢れ、頬を伝った。

「良いんだよ…
いや、良くは無いけどさ。

あの時、魔法が使えたらって言ったろ?
お前は過去を正したいって答えた。