この二人の政略結婚に意義ある者は、今すぐ申し出よ。さもなくば永遠に沈黙せよ。

 お互いに打算的だと思いながら、実のところ、互いに惹かれ合っていたのだわ。夢みたい。

「僕を手に入れた……?」

「そうなの。私はお祖父様に、お願いしたのよ。ウェイン伯爵の後継ぎと結婚したいって……だから、この結婚は私が望んだことで、政略結婚ではないのよ」

 真実を告げる私の声は震えていて、どんどん小さくなっていった。恥ずかしい。こんなさもしい手段で彼を手に入れることを、本人に告白することになるなんて。

 けれど、いつかはしなければいけないことだった。もし、ノアを本当に愛しく思うのなら。

「いいえ。それは、僕が望んだことを叶えてくれただけです。あの時……僕は思ったんですよ。ルーシャン公爵家令嬢ならば、誰も文句は言わない。どうか、ロバートの妹が僕を望んでくれないか……と」

 ノアは私のことをぎゅっと抱きしめてそう言い、私はよくわからないけれど目隠しをしたまま幸運な偶然を手にすることが出来たことに感謝し、彼の身体を同じように抱きしめた。

Fin