この二人の政略結婚に意義ある者は、今すぐ申し出よ。さもなくば永遠に沈黙せよ。

 そこで、ノアは私を抱きしめたので、私はこれまでに知らない事実が明かされ、目を瞬かせるしかなかった。

「……あの、ノア。私との縁談が来て、貴方は喜んでいたの?」

 私は震える声で、今までに聞きたかったけれど、聞けなかったことを聞いた。

「もちろんです。僕は実は、縁談が来る前に、ロバートのところに遊びに行ったことがあって……その時に、シェリルに会えるかと聞いたんですが、まだ社交界デビューも済ませていないからと、流石に会わせてもらえなくて……」

 私の質問に力強く頷いたノアは、目をキラキラとさせていた。

 ……今までの憂鬱な表情、それはもしかして、彼が義姉からの執着に悩んでいたから……?

「そ、そうだったの……?」

 確かに、ノアはルーシャン公爵家を去る時、名残惜しそうに振り返っていたわ。

 あれは……ロバートの妹である私と会いたかったから?