この二人の政略結婚に意義ある者は、今すぐ申し出よ。さもなくば永遠に沈黙せよ。

 当然のように、愛人を囲う彼を見て、私も愛人を選び同じように無関心に出来るだろうか。

 ……いっそ、彼以外の人と結婚すれば、楽だったかもしれない。

「はあああ……」

 額に手を当てて、大きくため息をついた。いけないわ。このままでは、眠れないままに朝を迎えることになる。

 明後日は決して、失敗出来ない。家のこともそうだけど、なによりもノア、私のこれからの評判のために。

 けれど、明後日が過ぎて共に暮らし始めれば、隣にはノアが眠ることになるのだ。

 ……彼は私に愛情を抱いているわけでもないのに。


◇◆◇


「良い天気……」

 結局、あのまま眠れずに朝を迎えた私は、散歩をしたいと近くの公園にやって来た。

 ここは、ノアが好きな場所だ。私たち二人はお出かけする際には、ここで歩いてから食事に出かけるのが常だった。

 私はこれからどうしたいのだろう。今更、結婚を取りやめるなんて出来るはずもない。