私の従者は…

そうして伊織を見送り中に入るとすでに大勢の人がいた。置いてあるプリントを手に取り何人かの顔見知りに声をかけられて一緒に座る。するとすぐに説明担当者が入ってきて説明を始める。それをメモを取りながら聞くというのを数時間。今日のオリエンテーションが終了し伸びをして会場を出るため荷物を入れていると筆記用具を落としてしまった。
思ったより転がってしまったため立ち上がると目の前に転がっていたはずの筆記用具が差し出された。
「はい。これですか?」
「あっはい。ありがとうございます」
顔を上げると男性が立っていた。
「俺は唐田 慎太郎(からた しんたろう)。よろしく」
「私は西園寺凛と申します」
軽く頭を下げた。
「あっさっき挨拶してた子だ!」
その時。
「お嬢様!」
と伊織が駆け寄ってきた。
「大丈夫ですか?」
「ええ。落としたものを拾ってもらっただけよ」
「それはありがとうございました。行きましょう」
伊織は慎太郎くんに軽く頭を下げて私の手を取りスタスタと歩き始めた。
「ねぇちょっと!いきなりどうしたの?」
そう聞いても返事はない。
「今日はもうこれで終わりですよね?運転手を待たせております」
そのまま車まで歩いて行く。