私の従者は…

その時。
「先輩、ご卒業おめでとうございます。これ受け取ってください」
ある生徒に花束を差し出された。それを皮切りにたくさんの生徒から花束を渡された。
「みんなありがとう。嬉しいわ」
するとある男子生徒がやって来て花束と共にオドオドと話し出す。
「先輩、ご卒業おめでとうございます。あの話したいことがあります。この後お時間ありますか?」
私が答えようとすると
「すみません。お嬢様はこの後卒業パーティーの準備で忙しいんです。そういうのはお控え願います」
離れていたはずの伊織が答えた。それを聞くや否やその男子生徒は
「そうですよね。すみませんでした」
と頭を下げて行ってしまった。
「なんで?」
「なんでとは?」
「さっきまで女子に囲まれてたじゃない」
「お嬢様の危機に馳せ参じないわけにはいかないので」
「危機?」
「あれは確実に告白ですよ」
そこで思い出した。卒業式は在校生が卒業生に想いを告げる最後の機会でもある。必ず卒業生の招待状が無ければ入れない卒業パーティーとは違って卒業式は特に条件なしで卒業生と接触できるチャンスだ。皆、意中の人間に想いを伝えるのが恒例となっていた。