「いいけど、私の名前知ってるの?」 「知ってますよ。 小林 茉奈(まな)さん、ですよね」 「うん。正解」 私の名前なんてどこで知ったんだろう。 疑問に思ったけど、翠くんはすぐに出口まで長い足で向かうと扉を開ける。 「じゃあ茉奈さん。また」 それだけ言うと、ひとりぽつんと放心状態の私を置いて行ってしまった。