あやしき恋と陰陽師!

 仲裁に入ったのは、この東部陰陽寮の寮長――つまり東部で一番偉い陰陽師、犬飼さんだった。

 年齢は二十三? 
 らしいけど、いつもダルそうなせいでもっと上に見える。

「緋暮と椿、お前らに話がある」
「え?」

 犬飼さんに手招きされ、緋暮が続く。私も慌てて追いかけた。

「悪いな緋暮。東部は人が多い分、血気盛んな奴もいてよ」
「さっきの人といい椿ちゃんといい、元気があってよろしいやないですか。動物園みたいでおもろいわぁ」
「もしかして今、私までバカにした?」
「よう気づいたやん」

 犬飼さんは肩をすくめる。

「緋暮も悪いぞ。お前の方が歴長いのに、言わねぇんだから」
「あはは」
「えっ?」

 さっきの先輩は三年目。二年目の私より先輩だ。
 じゃあ、緋暮はそれ以上ってこと……?
 
「コイツは十年近くこの世界にいるからな」
「ええ!?」