「あやかしが妖魔化したら、祓って消すのが当たり前やろ」
彼が口にしたのは、陰陽師の常識中の常識。
それくらい分かってる、だけど!
「”浄化”さえできれば、妖魔はあやかしにも戻れるっ! そうすれば人間とあやかしだって、平和に楽しく共存できるはずで――」
「何やそれ」
私の説明を遮るように、絶対零度の声が聞こえた。
「あやかしなんて――どうせいつか、妖魔に堕ちるのに」
心底理解できない。
緋暮はそんな表情をしていた。
一瞬怯んで、しかし彼を睨み返す。
「もしまた妖魔に堕ちたって、その度に浄化するもん!」
拳を握って力強く言い切る。すると、彼の殺気が急にふっと収まった。
「信じられへん」
彼はよよよと芝居が勝った調子で、額に手を当てた。
「東部とかいう人口でしかイキられへん地域やと、こんなおめでたい頭に育つんや」
「あんたね、さっきから失礼極まりないんだけど!」
流石の私も、堪忍袋の緒が切れそうだった。
「キリないわ、この話は終わり。はよ行くで」
「え?」
「どうせ帰るとこはおんなじやし」
「おんなじって……ま、まさか」
嫌な予感に、汗が一筋伝う。
そして、そのまさか。
彼の帰る先は、東部陰陽寮の宿舎――つまり、私が住んでる場所だったのだ。
彼が口にしたのは、陰陽師の常識中の常識。
それくらい分かってる、だけど!
「”浄化”さえできれば、妖魔はあやかしにも戻れるっ! そうすれば人間とあやかしだって、平和に楽しく共存できるはずで――」
「何やそれ」
私の説明を遮るように、絶対零度の声が聞こえた。
「あやかしなんて――どうせいつか、妖魔に堕ちるのに」
心底理解できない。
緋暮はそんな表情をしていた。
一瞬怯んで、しかし彼を睨み返す。
「もしまた妖魔に堕ちたって、その度に浄化するもん!」
拳を握って力強く言い切る。すると、彼の殺気が急にふっと収まった。
「信じられへん」
彼はよよよと芝居が勝った調子で、額に手を当てた。
「東部とかいう人口でしかイキられへん地域やと、こんなおめでたい頭に育つんや」
「あんたね、さっきから失礼極まりないんだけど!」
流石の私も、堪忍袋の緒が切れそうだった。
「キリないわ、この話は終わり。はよ行くで」
「え?」
「どうせ帰るとこはおんなじやし」
「おんなじって……ま、まさか」
嫌な予感に、汗が一筋伝う。
そして、そのまさか。
彼の帰る先は、東部陰陽寮の宿舎――つまり、私が住んでる場所だったのだ。
