「忙しいとは聞いてたけど……妖魔、多すぎっ! 今日六体目なんですけど!?」
その夜、闇夜を駆ける私は思いっきり叫んだ。くるりと一回転して木から飛び降り、錫妖杖を妖魔に向ける。
「【急急如律令】!」
そう唱えると、妖魔は一瞬で塵になった。
――本当はこの子も、浄化してあげたかったな。
簡易祓滅術で祓いながらも、内心歯噛みする。
妖魔を消したとしても、いつかまた妖力が集まって新たなあやかしへと生まれ変わるらしい。
だけどさ、「死んでも生まれ変われるから大丈夫ですよ」なんて言われたところで、「ならいっか!」とはならないじゃん。
私だったら死にたくない。それって、妖魔……あやかしも一緒なんじゃないかな。
陰陽師に情は不要。それでも私は情を大事にしたい。
「祓う」しか選択肢が無いならしょうがないと思う。
だけど私の手に「浄化」って選択肢があるんなら、できるだけそっちを選びたいよ。
──なんて。今日だけはそんなこと、言ってられないんだけどね。
『妖魔出現! およそ1キロ先、南南東です!』
詠暦院からの式神が、早くも新たな任務を告げる。
本日七体目の妖魔を祓うため、私は南南東へと駆け出した。
その夜、闇夜を駆ける私は思いっきり叫んだ。くるりと一回転して木から飛び降り、錫妖杖を妖魔に向ける。
「【急急如律令】!」
そう唱えると、妖魔は一瞬で塵になった。
――本当はこの子も、浄化してあげたかったな。
簡易祓滅術で祓いながらも、内心歯噛みする。
妖魔を消したとしても、いつかまた妖力が集まって新たなあやかしへと生まれ変わるらしい。
だけどさ、「死んでも生まれ変われるから大丈夫ですよ」なんて言われたところで、「ならいっか!」とはならないじゃん。
私だったら死にたくない。それって、妖魔……あやかしも一緒なんじゃないかな。
陰陽師に情は不要。それでも私は情を大事にしたい。
「祓う」しか選択肢が無いならしょうがないと思う。
だけど私の手に「浄化」って選択肢があるんなら、できるだけそっちを選びたいよ。
──なんて。今日だけはそんなこと、言ってられないんだけどね。
『妖魔出現! およそ1キロ先、南南東です!』
詠暦院からの式神が、早くも新たな任務を告げる。
本日七体目の妖魔を祓うため、私は南南東へと駆け出した。
