あやしき恋と陰陽師!

「……好き。バディとして、ねっ」
「バディとして?」

 私の言葉を反復し、緋暮はくすっと笑った。

「嬉しい」

 彼のはにかんだような笑みに、口から想いがぽろりと溢れる。
 
「緋暮の隣は、私じゃなきゃ嫌なのっ」
「……っ!」

 彼は顔を覆ってしゃがみ込み、すぐに立ち上がる。
 
「……は〜。椿ちゃんには敵わんわ」

 手を下ろした彼の顔は、さっきよりも晴々としていた。
 緋暮が小指を差し出す。

「約束する。父上がなんと言おうと、あの娘とは結婚せぇへん」

 視線に促されるまま、私は彼の長い小指に、自分のそれをそっと絡ませた。

「約束、だよ?」
「ん。まぁ、結婚なんてしとる場合とちゃうしな」
 
 こつんと額同士が合わせられる。
 すぐ近くの距離で、緋暮が悪戯っぽく目を細めた。

「お人好しなバディのお世話で、手一杯やもん」

 甘い響きに、胸の奥が震える。

 「お世話ってなによ!」みたいな、いつもなら言えるはずの軽口が出てこない。
 喜びだけが、全身の血を駆け巡る。

「ほんとに、約束なんだからね……っ!」

 顔が熱い。絞り出した小さな言葉に、緋暮は声をあげて笑った。