あやしき恋と陰陽師!

 走り出した緋暮は窓に足をかけると、ひょいっと飛び降りた。

「ちょ、ここ四階!」
「怖いんやったら後からゆっくり来てもええで」
「な、舐めないでよね!」

 窓の外に見える巨大な白い蛇に、私もそのまま飛び乗った。
 緋暮は左耳のピアスを弾いて、契約あやかしであるシロを呼び出していたんだ。

「グガァ……ッ!」

 9キロそこらなんて、高速白蛇タクシーにかかれば一瞬だ。
 すぐにカマイタチの声と、木々が倒れるような音が聞こえてきた。

「めっちゃ森林破壊!」
「ユネスコの泣く顔が見えるわ」

 妖魔化したカマイタチも、接近してくる私たちに気づいたみたい。ギラリとした瞳がこちらに向けられる。
 
「「【臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前】」」
「出でよ、錫妖杖!」
「出でよ、斬刻刀」

 二人同時に九字を切る。合図なんていらない、息はピッタリだった。
 
 気合いは十分!
 今はただ、横にいるバディが心強い。
 
「――待っててね、カマイタチ。あなたもすぐ浄化してあげるから!」