もともと顔だけは綺麗だと思っていたものの、熱で火照った顔と薄ら開かれた目からは、壮絶な色気が醸し出されていた。
恥ずかしくなって視線を逸らすと、彼は不満げに私の手を掴んで、自分の額に当てさせる。
「え、すごい熱!」
「さっき測ったら三十八度やって。な、お粥食べたい」
甘えるような声。
たった一人で東に来て、もしかしたら緋暮は心細かったのかもしれない。
「し、しょうがないんだから」
タマゴ粥をよそって緋暮に差し出すが、彼は両手を布団の中へ引っ込めてしまった。
「あーんって、してくれへんの?」
「はぁ?!」
「こっちは四十二度の高熱患者やねんけどな〜」
「三十八度って言ってたでしょうが!」
「そうやっけ?」
頬に熱が集まるのを感じる。
落ち着け私、これは揶揄われてるだけ!
動揺を見せたら緋暮の思うツボなんだから!
「あ、あーん」
スプーンを差し出すと、緋暮は目をぱちくりさせた。
「え、ほんまにしてくれるん。冗談のつもりやったのに」
「帰る!!!」
「待って待って」
くるっと背を向けて帰ろうとしたら、袖を掴まれてしまった。
「ねぇ、もっかい食べさせて。今度はほんまに」
緋暮が袖を掴んでいる力がいつもより弱い気がして、やっぱり病人なんだって思った。
「ほら……あ、あーん」
「ん」
差し出されるままスプーンを口に含んだ彼は、ハムスターみたいにモグモグと咀嚼した。一口食べたら食欲が湧いてきたのか、「もっと」と促してくる。
変な感じ。
私の顔はきっと、熱を出してる緋暮と同じくらい赤い。
「照れとんの? 顔真っ赤やで、かわいい」
「か、かわ!?」
びっくりして、スプーンを落としかける。
――もう無理!
「そ、それじゃ、お大事に!」
限界に達した私は、部屋から逃げ出したのだった。
恥ずかしくなって視線を逸らすと、彼は不満げに私の手を掴んで、自分の額に当てさせる。
「え、すごい熱!」
「さっき測ったら三十八度やって。な、お粥食べたい」
甘えるような声。
たった一人で東に来て、もしかしたら緋暮は心細かったのかもしれない。
「し、しょうがないんだから」
タマゴ粥をよそって緋暮に差し出すが、彼は両手を布団の中へ引っ込めてしまった。
「あーんって、してくれへんの?」
「はぁ?!」
「こっちは四十二度の高熱患者やねんけどな〜」
「三十八度って言ってたでしょうが!」
「そうやっけ?」
頬に熱が集まるのを感じる。
落ち着け私、これは揶揄われてるだけ!
動揺を見せたら緋暮の思うツボなんだから!
「あ、あーん」
スプーンを差し出すと、緋暮は目をぱちくりさせた。
「え、ほんまにしてくれるん。冗談のつもりやったのに」
「帰る!!!」
「待って待って」
くるっと背を向けて帰ろうとしたら、袖を掴まれてしまった。
「ねぇ、もっかい食べさせて。今度はほんまに」
緋暮が袖を掴んでいる力がいつもより弱い気がして、やっぱり病人なんだって思った。
「ほら……あ、あーん」
「ん」
差し出されるままスプーンを口に含んだ彼は、ハムスターみたいにモグモグと咀嚼した。一口食べたら食欲が湧いてきたのか、「もっと」と促してくる。
変な感じ。
私の顔はきっと、熱を出してる緋暮と同じくらい赤い。
「照れとんの? 顔真っ赤やで、かわいい」
「か、かわ!?」
びっくりして、スプーンを落としかける。
――もう無理!
「そ、それじゃ、お大事に!」
限界に達した私は、部屋から逃げ出したのだった。
