担任の大きな声に、教室が騒つく。
普段なら私だって一緒に騒ついてたと思うけど、今はとにかく眠い。
――うーん。転校生って、中学二年の五月末に? 変な時期。
「それじゃあ皆に自己紹介してくれ!」
扉を開ける音が聞こえた直後、「キャーッ!」という女子の黄色い悲鳴が響く。
一方、私の瞼は眠気に負け続けていて、なかなか開かない。
「初めまして。京都から転校して来ました、芦ヶ谷緋暮いいます。皆さん、どうぞよろしゅう」
間延びしたような京都弁。
聞き覚えのあるそれに、カッと瞼が開いた。
左右ともに2.0という素晴らしい視力を持つ私の目が、教卓の前に立つ少年とばっちり合う。
サラサラの髪に、整った顔。
左側だけ見える耳には、100パー校則違反な縦長ピアス。
余裕ありげに教室を見下ろす漆黒の瞳。
そして、下唇にちらりと見える小さな傷跡。
「あ〜っ!? あんた、昨日の!」
ガタガタと音を立てて、思わず立ち上がる。
そう。
彼は間違いなく、白い大蛇に乗って突然現れ、私のことを馬鹿にしてきやがった昨日の陰陽師だった!
「朝霞、急に何だ」
「どしたの椿ぃ?」
「イケメン来てテンション上がっちゃった?」
揶揄うような友達の声に、もげるかと思うほど首をブンブン振って否定する。
「ち、ちがっ! コイツは昨日……」
「まぁ何だ、良かったな朝霞。ちょうど芦ヶ谷の席はそこ、朝霞の隣だ」
「だからそういうんじゃ……って、はぁ!?」
しかし彼は、ゆったりとこちらへ向かって歩いてくる。
「ふーん。君、朝霞椿って言うんや」
隣に座った彼は、傷のある唇を歪め、嫌味ったらしい笑みを浮かべた。
「初めまして。これからよろしゅうな、椿ちゃん?」
普段なら私だって一緒に騒ついてたと思うけど、今はとにかく眠い。
――うーん。転校生って、中学二年の五月末に? 変な時期。
「それじゃあ皆に自己紹介してくれ!」
扉を開ける音が聞こえた直後、「キャーッ!」という女子の黄色い悲鳴が響く。
一方、私の瞼は眠気に負け続けていて、なかなか開かない。
「初めまして。京都から転校して来ました、芦ヶ谷緋暮いいます。皆さん、どうぞよろしゅう」
間延びしたような京都弁。
聞き覚えのあるそれに、カッと瞼が開いた。
左右ともに2.0という素晴らしい視力を持つ私の目が、教卓の前に立つ少年とばっちり合う。
サラサラの髪に、整った顔。
左側だけ見える耳には、100パー校則違反な縦長ピアス。
余裕ありげに教室を見下ろす漆黒の瞳。
そして、下唇にちらりと見える小さな傷跡。
「あ〜っ!? あんた、昨日の!」
ガタガタと音を立てて、思わず立ち上がる。
そう。
彼は間違いなく、白い大蛇に乗って突然現れ、私のことを馬鹿にしてきやがった昨日の陰陽師だった!
「朝霞、急に何だ」
「どしたの椿ぃ?」
「イケメン来てテンション上がっちゃった?」
揶揄うような友達の声に、もげるかと思うほど首をブンブン振って否定する。
「ち、ちがっ! コイツは昨日……」
「まぁ何だ、良かったな朝霞。ちょうど芦ヶ谷の席はそこ、朝霞の隣だ」
「だからそういうんじゃ……って、はぁ!?」
しかし彼は、ゆったりとこちらへ向かって歩いてくる。
「ふーん。君、朝霞椿って言うんや」
隣に座った彼は、傷のある唇を歪め、嫌味ったらしい笑みを浮かべた。
「初めまして。これからよろしゅうな、椿ちゃん?」
