ブルブル震える猫又を見つめる。その姿があまりに可哀想で、胸が痛んだ。
『キエタク、ナ……イ!』
消えたくない?
そっか……この子だって、前はただのあやかしだったはず。
魚を食べて、草むらの猫じゃらしで遊んで、他の猫又たちと空き地で集会なんか開いちゃって。
妖魔だって、好きで暴走してるわけじゃない。
あの時の白髪の少年の姿が頭を過ぎる。彼はあやかしかもしれないけど、私を救ってくれた。
あやかしが悪に染まり、妖魔に堕ちる。
――なら、その逆は?
「ねぇ、妖魔をあやかしに戻す方法ってないの?」
思いつきのままにそう聞くと、彼は目を見開く。
「一体、何を」
「あるの、ないの?!」
「無くは……ないのですが。しかし」
「お願い、教えて!」
こうしている間もあの妖魔は苦しそうな声をあげている。
その瞳に、あの日追い詰められていた自分を重ねてしまった。
――助けてあげたい。私も……あの男の子みたいに!
強く願った瞬間、再び全身に力がみなぎってくるのを感じる。
険しい顔をした周くんは、本の最後のページを開いた。覗き込むと、そこには赤い『浄化』の文字が。
「浄化は、古の術です。書物に載っていたって、使えるはずがない」
「そんなの、やってみなきゃ分からないでしょ!」
詳しい手順は書かれてないけど、本能で理解した。多分、大事なのは気持ちなんだ。
「ふぅー」
目を閉じて深呼吸をし、また開く。そのまま錫妖杖を宙に掲げると、一枚の紙が現れた。
「なっ、護符を!?」
驚愕する周くんにも気づかないほど、既に私の意識は深く、沈んでいた。
極限の集中状態の中、創り出した護符を放ち、錫妖杖の先端で打つ。
「【我は汝を還す者、揺蕩い巡る現世の花。罪を流すは慈悲の雨。赦しの灯火、いま宿せ】!」
『キエタク、ナ……イ!』
消えたくない?
そっか……この子だって、前はただのあやかしだったはず。
魚を食べて、草むらの猫じゃらしで遊んで、他の猫又たちと空き地で集会なんか開いちゃって。
妖魔だって、好きで暴走してるわけじゃない。
あの時の白髪の少年の姿が頭を過ぎる。彼はあやかしかもしれないけど、私を救ってくれた。
あやかしが悪に染まり、妖魔に堕ちる。
――なら、その逆は?
「ねぇ、妖魔をあやかしに戻す方法ってないの?」
思いつきのままにそう聞くと、彼は目を見開く。
「一体、何を」
「あるの、ないの?!」
「無くは……ないのですが。しかし」
「お願い、教えて!」
こうしている間もあの妖魔は苦しそうな声をあげている。
その瞳に、あの日追い詰められていた自分を重ねてしまった。
――助けてあげたい。私も……あの男の子みたいに!
強く願った瞬間、再び全身に力がみなぎってくるのを感じる。
険しい顔をした周くんは、本の最後のページを開いた。覗き込むと、そこには赤い『浄化』の文字が。
「浄化は、古の術です。書物に載っていたって、使えるはずがない」
「そんなの、やってみなきゃ分からないでしょ!」
詳しい手順は書かれてないけど、本能で理解した。多分、大事なのは気持ちなんだ。
「ふぅー」
目を閉じて深呼吸をし、また開く。そのまま錫妖杖を宙に掲げると、一枚の紙が現れた。
「なっ、護符を!?」
驚愕する周くんにも気づかないほど、既に私の意識は深く、沈んでいた。
極限の集中状態の中、創り出した護符を放ち、錫妖杖の先端で打つ。
「【我は汝を還す者、揺蕩い巡る現世の花。罪を流すは慈悲の雨。赦しの灯火、いま宿せ】!」
