あやしき恋と陰陽師!

『グゥァァ……ッ』

 話していると、また唸り声が聞こえた。
 気になることはあるけど、とにかく今は妖魔だ。

「陰陽師ってことはさ、周くんならあれ、倒せるってことだよね?」

 私が指差すと――急に妖魔はこっちへ猛スピードで向かって来た。
 
「ギャ〜ッ!」

 大絶叫をあげながら、ぎゅっと目を瞑る。

 ――ガキンッ、ガキンッ!
 音のする方に視線を向けると、妖魔は透明な壁に向かって体当たりを繰り返していた。

「大丈夫ですよ、結界を張ってますから」
「結界? それって、バリアみたいな?」

 そう聞くと彼は「バリア?」と一瞬微妙そうな顔をして、「そんな感じです」と頷いた。

「あの化け猫は?」
「猫又です。俊敏で、妖魔化すると……厄介ですよ」

 ――ギャイン! バリバリッ!

「わっ!」
 
 そのうち結界から、黒板に爪を立てるみたいな音が聞こえてきた。
 
「ね、ねぇこれ、大丈夫だよね? バリア張ってるもんね? ねっ?」

 横の彼にちらり、視線を送る。
 
 この陰陽師、なんかめっちゃ有能そうな雰囲気だし!
 きっと大丈夫なはず。え、そうだよね……?