あやしき恋と陰陽師!

 周くんの突然の発言にギョッとしてしまう。
 東部と西部が仲悪いって話は聞いたことあるけど……同じ陰陽師なのにスパイなんて。
 
「さぁ? どうやろね」

 しかし疑いがかけられた緋暮の方は、涼しい顔だ。

「今の西部の長は、芦ヶ谷家当主……僕の父親や。東部の人間に疑われるんも不思議は無いわな」

「しらばっくれるおつもりで?」

「別に。やけどスパイや疑っとる相手に、よく治癒能力見せたもんやなぁ」

「知られて困ることでもありませんし。報告なさっても別に構いませんよ」

「はは、楽しい子やねぇ」

 笑顔の裏に(図々しいクソガキやな)って文字が見える。周くんの方もはっきりと警戒を露わにしているみたいだ。

「……とにかく、うちの椿さんを危険な目に合わせたら許しませんからね」
「こちらこそ。うちの椿ちゃんの心配、おおきにな?」

 何故か二人の間の視線には、バチバチと火花が散っているように見える。
 男の子同士、ライバル意識が芽生えた……のかな?