あやしき恋と陰陽師!

「は、浄化ァ? まだそないなこと言ってるん、この状況で?」
「そう! 動きを止めるだけで良いの、お願い手伝ってよ!」
「非効率的にもほどがあるわ、祓った方が早い!」

 私自身、浄化が遠回りな方法だって分かってる。
 だけど浄化さえすれば、妖魔も無害なあやかしに戻ることができる。

 悔しいけど、一人じゃ動きを止めることすら出来ない。
 説得しなきゃ!

「さては、雪女を止める自信がないの?!」
「そんな見え見えの挑発に乗るとでも?」
「っ……」

 冷たい視線が返される。

 ダメだった。
 やっぱり理想論、なのかな。

「……痛っ」

 ぴりりと痛みが走った頰に手をやると、ぬるっとした感触があった。
 銀世界の中、指についた己の血がやけに赤く見えた。
 
 さっき、雪女の氷が掠めた時の傷だ。
 緋暮が助けてくれなかったらきっと……かすり傷じゃ済まなかった。

 俯きかけた私の視界の端から、制服の袖が伸びてきた。
 頬の血がそっと拭われる。

「……ったく!」