ある、若い恋人たちがいたの。

二人とも、敬虔なクリスチャンでね。

もう、その時代は、気軽に同棲するカップルも増えつつあったけど、二人はあくまで心の繋がりを重視するような⋯⋯それこそ、まさに純愛だったって。

教会のミサで知り合って、親しくなっていったみたい。

彼女は、家柄のいいお嬢様で、彼の方は⋯⋯今はもう、そういう差別自体が許されないことだけど⋯⋯とある地区の出身でね。

彼女はそれを知っていても、彼のことを本気で愛していたから、自分から結婚したいってハッキリ言い出したの。

彼が気後れして切り出せないことも、彼女には判っていたから。

彼は大喜びで、しばらくすると、彼女の誕生石であるルビーの婚約指輪とともに、改めてプロポーズしたの。

彼女のほうは、出来れば20代前半のうちに結婚したかったんですって。

早すぎる?そりゃあ、今とは時代が違うからね。

だから、彼は早く結婚できるように、一張羅を着て、彼女のご両親に挨拶しに行ったの。

だけどね⋯⋯。