え?面白い話をしてくれって?

アンタねぇ⋯⋯私をなんだと思ってんのよ。

知ってる?そういう発言は嫌われるってこと。

私に嫌われたくて言ってるの?

いやいや⋯⋯そんな、アンタが思ってるほど、私は海千山千じゃないわよ、失礼ね!

昔話か神話でもいいって?

全く⋯⋯それなら、本を読むなり映画を観るなりすればいいでしょうが。

めんどくさいって、アンタ⋯⋯。

全く、救いのない人ね。

はぁ⋯⋯。


で、さっきから何処に向かって走ってるの?

えっ、行き先を考えてない!?

全く⋯⋯信じられない!


そうねぇ⋯⋯ヤセの断崖は、此処からちょっと遠いし⋯⋯。

何それ、って⋯⋯松本清張の「ゼロの焦点」にも出てくるでしょ。

あ、そうだったわね⋯⋯本は仕事で使う実用書しか読まないんですね⋯⋯ハイハイ。

んー⋯⋯そうだ!恋路海岸はどう?

⋯⋯やけに食いつきがいいわね。

全く⋯⋯どうして私にデートコースを丸投げするのよ。

え?私がフェミニストだからって?

私、フェミニストじゃないわよ。

ふーん⋯⋯そう見えるんだ。

覚えておくわ、ありがとね!

⋯⋯いや、別に怒ってないけど。

私がこういう話し方なのは知ってるでしょ?

それより、ごめん⋯⋯急に睡魔が襲ってきたわ⋯⋯。