「お姉さまと恋人同士なんていうけど、どうみたって不釣り合いだもの。それに知っている? 王太子の神託の内容を」
「……」
もちろん知っている。だがあえて口には出さない。
「魔力の強い者、ってまさに私のことじゃない」
レオナは揺るぎなく自信たっぷりだ。
「だから、王太子の隣にいるのは私の方が相応しいと思うのよ」
レオナは前回、アレクの前でも散々私に悪態をついたのを忘れたのか。
あれでアレクに好印象を与えるわけがない。どこまでも自分に都合のいいように記憶を改ざんしているのか。
「それに私、もうすぐ王宮魔術師に任命されるわ」
王宮魔術師に任命されるには神殿に認定される必要があるのだが、彼女の中ではすでに決定事項のようだ。
ああ……ダメだわ。
わが妹ながら、救いようがない。頭痛が強くなってきた。あまりにも話が通じなくて。
それにこの地に来てから本当にストレスなく楽しい日々を送っていたので、久々に妹という超ド級のストレス源に耐えられそうもない。
「アレク様の隣はあきらめて、私に譲ってちょうだい。お姉さまは魔力がないし、無能なんだから」
――無能。
実家にいた時から幾度となく聞かされていた言葉。
当時は聞き逃していた。
でも唇をギュッと噛みしめ、前を向く。
「その言葉を取り消してくれる?」
「嫌だ、お姉さまってば、なにムキになっているの」
レオナは挑発するように軽やかな笑い声を立てる。
「私は無能なんかじゃないわ」
意地悪く笑うレオナの目を見つめ、はっきりと告げる。
私もノクティス家にいた頃は自信がもてず、自分のことを好きだとは思えなかった。だけど、余命を宣告されて、このまま家族の犠牲になって終わる一生は嫌だって思ったの。
この地に来て、前から興味のあった薬草栽培に力を入れて。独学で本から学んだ知識を生かしていたら、私でも魔力が使えるようになったわ。
そこから癒しのしずく作りにも力を入れ、やっと形になってきた。テオドールの呪いも解くことができて、ようやく自信が持てるようになってきたの。
皆からお礼を言われると嬉しくなる。もちろん見返りを期待しているわけじゃない。ただ胸の奥がじんわりと温かくなるんだ。
私、この地に来て、やっと自分のことが好きになれた気がする。
レオナは口に手を当て、クスクスと笑う。
「本当のことを言ってなにが悪いの? 無能なんだから、仕方ないじゃない」
だからレオナの失礼な態度も聞き逃すことはしない。怒っていいんだ、自分に正直になる。
「人に紹介を頼む前に、その性格の悪さをなおしなさい」
「なっ……!!」
面と向かって反撃を食らったレオナは目を見開いた。
「今のあなたじゃ、誰に紹介するのも恥ずかしいわ」
「なんですって!」
レオナは今にもつかみかからんばかりの勢いだ。
「やけに強気じゃない、魔力なしの無能のお姉さまのくせに!」
「はいはい、その言葉をもう聞き飽きたわ。他にないの?」
「……」
もちろん知っている。だがあえて口には出さない。
「魔力の強い者、ってまさに私のことじゃない」
レオナは揺るぎなく自信たっぷりだ。
「だから、王太子の隣にいるのは私の方が相応しいと思うのよ」
レオナは前回、アレクの前でも散々私に悪態をついたのを忘れたのか。
あれでアレクに好印象を与えるわけがない。どこまでも自分に都合のいいように記憶を改ざんしているのか。
「それに私、もうすぐ王宮魔術師に任命されるわ」
王宮魔術師に任命されるには神殿に認定される必要があるのだが、彼女の中ではすでに決定事項のようだ。
ああ……ダメだわ。
わが妹ながら、救いようがない。頭痛が強くなってきた。あまりにも話が通じなくて。
それにこの地に来てから本当にストレスなく楽しい日々を送っていたので、久々に妹という超ド級のストレス源に耐えられそうもない。
「アレク様の隣はあきらめて、私に譲ってちょうだい。お姉さまは魔力がないし、無能なんだから」
――無能。
実家にいた時から幾度となく聞かされていた言葉。
当時は聞き逃していた。
でも唇をギュッと噛みしめ、前を向く。
「その言葉を取り消してくれる?」
「嫌だ、お姉さまってば、なにムキになっているの」
レオナは挑発するように軽やかな笑い声を立てる。
「私は無能なんかじゃないわ」
意地悪く笑うレオナの目を見つめ、はっきりと告げる。
私もノクティス家にいた頃は自信がもてず、自分のことを好きだとは思えなかった。だけど、余命を宣告されて、このまま家族の犠牲になって終わる一生は嫌だって思ったの。
この地に来て、前から興味のあった薬草栽培に力を入れて。独学で本から学んだ知識を生かしていたら、私でも魔力が使えるようになったわ。
そこから癒しのしずく作りにも力を入れ、やっと形になってきた。テオドールの呪いも解くことができて、ようやく自信が持てるようになってきたの。
皆からお礼を言われると嬉しくなる。もちろん見返りを期待しているわけじゃない。ただ胸の奥がじんわりと温かくなるんだ。
私、この地に来て、やっと自分のことが好きになれた気がする。
レオナは口に手を当て、クスクスと笑う。
「本当のことを言ってなにが悪いの? 無能なんだから、仕方ないじゃない」
だからレオナの失礼な態度も聞き逃すことはしない。怒っていいんだ、自分に正直になる。
「人に紹介を頼む前に、その性格の悪さをなおしなさい」
「なっ……!!」
面と向かって反撃を食らったレオナは目を見開いた。
「今のあなたじゃ、誰に紹介するのも恥ずかしいわ」
「なんですって!」
レオナは今にもつかみかからんばかりの勢いだ。
「やけに強気じゃない、魔力なしの無能のお姉さまのくせに!」
「はいはい、その言葉をもう聞き飽きたわ。他にないの?」
