【WEB版】無能才女は余命わずかなようなので、 最後に好きにさせていただきます ~クズ家族と離れたら健康になるどころか、稀代の才能が開花しました~

「――お願いします」

 返答を聞いたベアトリーチェ様は満足そうな笑い声を上げた。

「おほほ、最初からそう言えばいいのよ!!」

 上機嫌になったベアトリーチェ様はアレクを顎で指す。

「さあ、ここからは当日の楽しみにしておきなさい。アレクは退室よ!」

 ビシッと扉を指さすと、アレクは苦笑しつつ肩をすくめた。

「仰せのままに、姉上」
「わかればよろしい」

 アレクは扉に手をかけ、最後に振り返る。

「リディア、君の好きなものを選ぶといい。誰に遠慮もいらない」

 そしてフッと微笑んだ。

「楽しみにしている」

 爽やかな微笑みを見せると、退室した。

「よし、しばらくこの部屋は女性専用ね」

 腰に手を当てたベアトリーチェ様は私をギュッと抱きしめた。

「かわいそうに。今まで甘えたことがないのね。もっと頼ってもいいの! くれるというのなら、堂々ともらっておけばいいのだからね!!」

 耳元でささやくとパッと体を放し、私の両腕をつかむ。

「じゃあ、まずは――脱ぎなさい」
「えっ……」

 急に言われてドキッとした。

「マダム、始めるわよ」
「はい、ベアトリーチェ様」

 ベアトリーチェ様が指をパチンと鳴らす。

 マダム・カミラは寸法しようと、メジャーを手にしていた。マダム・カミラは振り向き、背後に控えていた助手たちにうなずくと、助手たちが私を取り囲む。

「リディア様失礼いたします」

 断りの声と共にあっという間に下着一枚にされた。恥ずかしいなんて思うひまもないほど一瞬だった。
 ベアトリーチェ様はソファに腰かけて、優雅に紅茶を飲み始める。

「肌が白くてツヤツヤですね。この肌にはえるドレスを作りましょう。私、燃えてきましたよ~!」

 マダム・カミラは興奮ぎみに鼻息を荒くした。

「淡い色のドレスが似合うと思ったけど、思い切って原色はどうかしら」
「デコルテもお綺麗ですので、見せるドレスでもいいかと!」

 ベアトリーチェ様とマダム・カミラは二人で盛り上がり始めた。

「まあ、彼女に任せておけば問題ないわ。だからしばらく我慢しなさいね」

 ベアトリーチェ様の声に覚悟を決めた瞬間だった。