その証拠に耳が真っ赤になっている。
「嘘だ、ベアトリーチェ姉さま。リディアお姉さまに贈り物するって、張り切っていたじゃないか」
「お黙りなさい、テオドール!!」
ベアトリーチェ様がキッと目をつり上げた剣幕に、テオドールは首をすくめて笑う。
「さて、テオドール、今日の体調はいかがかしら?」
「うん、すっごく元気。昨日は庭園を散歩したよ。ずっと歩いても疲れなかった。それにリディアお姉さまを真似して、庭園の一角に小さな畑を作ってもらったんだ。花を植えたよ!」
「まあ、それは素晴らしいわ」
顔色も良くなってきたテオドール。徐々に元気を取り戻してきて、解呪して以来、寝込んだことがない。
「もう大丈夫そうね」
まずは一安心だろう。
「念のため癒しのしずくを数日分、準備しておくわ。万が一、体調が悪くなった時は、すぐにそれを飲んで」
「……リディアお姉さまは、もう毎日は来ないの?」
テオドールがさびしげな眼差しを向ける。
「ひとまずあなたの診察は終わりかな。完治ということ」
「嫌だな。毎日来て欲しい」
「いつでも会える距離にいるじゃない。なにかあったらすぐに駆け付けるわ。それに野菜を卸しにも来るのだし」
テオドールはもう大丈夫だ。ならば他に私を必要としている人のもとへ行くべきだと思えた。療養施設にも顔を出さなきゃ。
「それもそうね。テオドール、あなた、わがままを言って困らせてはダメよ」
ベアトリーチェ様が姉の威厳でビシッと言ってくださった。
「その代わり――」
ベアトリーチェ様の瞳がきらりと輝いた。
「テオドールの全快を祝って舞踏会――と、言いたいところだけど、ガーデンパーティを開催するわ!!」
名案が思い付いたとばかりに、はしゃぐベアトリーチェ様。
「昼に開催すれば、いいでしょう」
さすがベアトリーチェ様、テオドールの年齢と体への負担を考えたのだろう。
「もちろん、あなたも出席よ、リディア!!」
「え、私もですか!?」
ベアトリーチェ様は逃がさないと言わんばかりの眼差しを向ける。
「この機会に、かわいい妹を見せびらかさないと!」
「僕も素敵なお姉さまができたって、皆に自慢したい!」
テオドールとベアトリーチェ様は盛り上がって、二人でハイタッチまで決め込んでいる。私は人前にあまり出たことがない。ノクティス家では隠された存在に近かったから。
そんな私が王族主催のガーデンパーティに出席してもいいのかしら。
ノクティス家にいた時、舞踏会への誘いはあったが、両親はレオナの準備に夢中で私にかける時間と金を惜しんだ。体調不良を理由に不参加にしていたら徐々に誘いは減り、いつしか声がかかることもなくなった。
着飾って華やかな場に向かうレオナをちょっぴり、うらやましいと思ったこともあった。
でもどうすればいいのだろう。当日のドレスすら持っていないのに。
「嘘だ、ベアトリーチェ姉さま。リディアお姉さまに贈り物するって、張り切っていたじゃないか」
「お黙りなさい、テオドール!!」
ベアトリーチェ様がキッと目をつり上げた剣幕に、テオドールは首をすくめて笑う。
「さて、テオドール、今日の体調はいかがかしら?」
「うん、すっごく元気。昨日は庭園を散歩したよ。ずっと歩いても疲れなかった。それにリディアお姉さまを真似して、庭園の一角に小さな畑を作ってもらったんだ。花を植えたよ!」
「まあ、それは素晴らしいわ」
顔色も良くなってきたテオドール。徐々に元気を取り戻してきて、解呪して以来、寝込んだことがない。
「もう大丈夫そうね」
まずは一安心だろう。
「念のため癒しのしずくを数日分、準備しておくわ。万が一、体調が悪くなった時は、すぐにそれを飲んで」
「……リディアお姉さまは、もう毎日は来ないの?」
テオドールがさびしげな眼差しを向ける。
「ひとまずあなたの診察は終わりかな。完治ということ」
「嫌だな。毎日来て欲しい」
「いつでも会える距離にいるじゃない。なにかあったらすぐに駆け付けるわ。それに野菜を卸しにも来るのだし」
テオドールはもう大丈夫だ。ならば他に私を必要としている人のもとへ行くべきだと思えた。療養施設にも顔を出さなきゃ。
「それもそうね。テオドール、あなた、わがままを言って困らせてはダメよ」
ベアトリーチェ様が姉の威厳でビシッと言ってくださった。
「その代わり――」
ベアトリーチェ様の瞳がきらりと輝いた。
「テオドールの全快を祝って舞踏会――と、言いたいところだけど、ガーデンパーティを開催するわ!!」
名案が思い付いたとばかりに、はしゃぐベアトリーチェ様。
「昼に開催すれば、いいでしょう」
さすがベアトリーチェ様、テオドールの年齢と体への負担を考えたのだろう。
「もちろん、あなたも出席よ、リディア!!」
「え、私もですか!?」
ベアトリーチェ様は逃がさないと言わんばかりの眼差しを向ける。
「この機会に、かわいい妹を見せびらかさないと!」
「僕も素敵なお姉さまができたって、皆に自慢したい!」
テオドールとベアトリーチェ様は盛り上がって、二人でハイタッチまで決め込んでいる。私は人前にあまり出たことがない。ノクティス家では隠された存在に近かったから。
そんな私が王族主催のガーデンパーティに出席してもいいのかしら。
ノクティス家にいた時、舞踏会への誘いはあったが、両親はレオナの準備に夢中で私にかける時間と金を惜しんだ。体調不良を理由に不参加にしていたら徐々に誘いは減り、いつしか声がかかることもなくなった。
着飾って華やかな場に向かうレオナをちょっぴり、うらやましいと思ったこともあった。
でもどうすればいいのだろう。当日のドレスすら持っていないのに。
