そしてベアトリーチェ様と二人っきりのお茶会に誘われたのは、数日後のことだった。
テオドールの部屋へ向かっていると、いきなり背後からガシッと腕をつかまれた。
「あなた、帰りは私の部屋に寄りなさい。――いいわね?」
有無を言わさない気配にコクコクとうなずくことしかできなかった。というか、私が通るまで待ち構えていたのだろうか。
「よろしい、では行きなさい」
ベアトリーチェ様は私を解放すると、満足げに微笑んだ。
一通り、テオドールの診察が終わった。ここ最近は特に異常が見られなくてホッとしているところだ。
「リディアお姉さま、ゆっくりしていってよ」
私を上目遣いで見つめるテオドール。そのかわいらしい仕草がまぶしくて尊い。
「ごめんね、今日は用事があるから、また今度ね」
ベアトリーチェ様に部屋に来いと言われている。緊張するが無視するなんて、もってのほかだ。
「ちぇっ、つまんないの。お外を散歩したいと思ったのに」
むくれるテオドールの頭を優しくなで、またくると約束してその場は別れた。
テオドールと別れ、ベアトリーチェ様の部屋の前でゴクリと息をのむ。
なにを言われるのだろう。
私がアレクに相応しいかどうか見定められるのだろうか。
そりゃ、ノクティス家を勘当された身だし、到底つりあわない相手だから難色を示すだろう。
だけど仮なんです、半年間だけ私の自由のために弟さんを貸していただけないでしょうか?
……なんて頼み込めるわけでもないしな。
ごちゃごちゃ考えながら扉をノックすると、部屋の奥から声が聞こえた。
喉を鳴らし、覚悟を決めた私はゆっくりと入室した。
「待っていたわよ」
ベアトリーチェ様はソファに腰かけたまま、ゆっくりと視線を向けた。
「早く座りなさい」
「はい」
許可が出たのでベアトリーチェ様の前に腰かけた。
波打つ豪華な金の髪、整った顔はアレクとテオドールとも似ている。やはり兄妹なのだ。
「なによ」
ベアトリーチェ様にジロリとにらまれたので、慌てた。
「いえ、やはり兄妹だから似ているなと思いまして」
感じたままに告げるとベアトリーチェ様は鼻で笑う。
「そうね、アレクとはよく似ていると言われるわね。でも――」
ベアトリーチェ様は口に手を当て笑う。
「私が男だったなら、アレクよりもかっこよかったはずよ」
オホホと高い笑い声を上げるが、確かに、美形兄弟として有名になっただろう。
ベアトリーチェ様は部屋の隅に控えていたメイドに視線を投げる。メイドは私の紅茶と焼き菓子をテーブルにセットすると静かに退室した。
「早く、お食べなさい。ほら、冷えないうちに!!」
すごく急かされながら紅茶のカップを手にした。柑橘系の香りが華やかで軽やかな味だ。
「美味しいです」
「そう、気に入っていただけて良かったわ。そのお茶、私も好きなの。美容にもいいのよ」
力説するベアトリーチェ様だが、私のために用意してくださったのかな。
嬉しくなって再びカップに口つけた。
「あと、体が温まるから子宝にも恵まれるみたいよ!」
テオドールの部屋へ向かっていると、いきなり背後からガシッと腕をつかまれた。
「あなた、帰りは私の部屋に寄りなさい。――いいわね?」
有無を言わさない気配にコクコクとうなずくことしかできなかった。というか、私が通るまで待ち構えていたのだろうか。
「よろしい、では行きなさい」
ベアトリーチェ様は私を解放すると、満足げに微笑んだ。
一通り、テオドールの診察が終わった。ここ最近は特に異常が見られなくてホッとしているところだ。
「リディアお姉さま、ゆっくりしていってよ」
私を上目遣いで見つめるテオドール。そのかわいらしい仕草がまぶしくて尊い。
「ごめんね、今日は用事があるから、また今度ね」
ベアトリーチェ様に部屋に来いと言われている。緊張するが無視するなんて、もってのほかだ。
「ちぇっ、つまんないの。お外を散歩したいと思ったのに」
むくれるテオドールの頭を優しくなで、またくると約束してその場は別れた。
テオドールと別れ、ベアトリーチェ様の部屋の前でゴクリと息をのむ。
なにを言われるのだろう。
私がアレクに相応しいかどうか見定められるのだろうか。
そりゃ、ノクティス家を勘当された身だし、到底つりあわない相手だから難色を示すだろう。
だけど仮なんです、半年間だけ私の自由のために弟さんを貸していただけないでしょうか?
……なんて頼み込めるわけでもないしな。
ごちゃごちゃ考えながら扉をノックすると、部屋の奥から声が聞こえた。
喉を鳴らし、覚悟を決めた私はゆっくりと入室した。
「待っていたわよ」
ベアトリーチェ様はソファに腰かけたまま、ゆっくりと視線を向けた。
「早く座りなさい」
「はい」
許可が出たのでベアトリーチェ様の前に腰かけた。
波打つ豪華な金の髪、整った顔はアレクとテオドールとも似ている。やはり兄妹なのだ。
「なによ」
ベアトリーチェ様にジロリとにらまれたので、慌てた。
「いえ、やはり兄妹だから似ているなと思いまして」
感じたままに告げるとベアトリーチェ様は鼻で笑う。
「そうね、アレクとはよく似ていると言われるわね。でも――」
ベアトリーチェ様は口に手を当て笑う。
「私が男だったなら、アレクよりもかっこよかったはずよ」
オホホと高い笑い声を上げるが、確かに、美形兄弟として有名になっただろう。
ベアトリーチェ様は部屋の隅に控えていたメイドに視線を投げる。メイドは私の紅茶と焼き菓子をテーブルにセットすると静かに退室した。
「早く、お食べなさい。ほら、冷えないうちに!!」
すごく急かされながら紅茶のカップを手にした。柑橘系の香りが華やかで軽やかな味だ。
「美味しいです」
「そう、気に入っていただけて良かったわ。そのお茶、私も好きなの。美容にもいいのよ」
力説するベアトリーチェ様だが、私のために用意してくださったのかな。
嬉しくなって再びカップに口つけた。
「あと、体が温まるから子宝にも恵まれるみたいよ!」
