今となってはギルバートと同じ空気を吸いたくないほど嫌悪感がある。
アレク様の顔をジッと見つめる。
お互いの利害は一致している。充実しているこのスローライフが継続できるなら、この申し出も悪くないんじゃないかしら。
「それにまぁ、イケメンだし。性格はちょっとアレな時もあるけど……。カバーできるほどのルックスだし……」
「おい、口から出ているぞ」
思わず本音が口からこぼれるも、アレク様は気を悪くした様子はない。
「じゃあ、決まりだな」
アレク様はニッと口の端を上げて笑う。突如、すっと地面に膝をつく。
私の右手を取ると、手の甲に口づけを落とす。
えっ、ええっ……!!
魅力的な行動に心臓がドキドキと高鳴り、頬が熱くなる。
「わが魂をあなたに捧げます。共に生き、隣で笑い、伴侶として永遠に仕えます」
「ちょっ、ちょっと待ってください!」
握られた手にギュッと強い力がこもる。
こんな正式な誓い、本当に婚約するみたいじゃない。
さきほどまでの冗談めいた空気は消え去り、真剣な眼差しを向けるアレク様。背中が汗をかき、手を引っ張ろうとするが、彼がそれを許さないとばかりに強く握りしめた。
「この命尽きるまで、共に歩むと誓います。――アレクシード・ロイドバーク・エルバーハの名に懸けて」
……えっ……?
聞こえた名前に言葉を失う。エルバーハって……。
「な、名前が……」
「ああ、長いだろう。今まで通りアレクで構わないし、堅苦しい『様』もいらない」
そ、そこじゃなくて……!!
「エルバーハって、まさか……!!」
王族なの!?
高位貴族と思ってはいたが、まさかそこまでとは……!!
「知らなかったのか? 薄々気づいていると思っていた」
スッと立ち上がるアレク様に向かって、首をブンブンと大きく横に振る。
ちょっと待って、ちょっと待ってよーー!!
名のある貴族かと思っていたけど、まさかの王太子と聞き、驚くなんてもんじゃない。
いつもラフな格好をしていたけど、にじみ出る王者のオーラはそのせいか!!
アレクシード・ロイドバーク・エルバーハ。
確かに、この国の第一王子の名前だ。私は舞踏会などまったく出席しなかったので、公式の場で姿を見たことがなかった。それにまさか、王太子がこんな場所にいるとは誰も思わないでしょう!!
今考えると思い当たることがある。
陽光を閉じ込めたような金髪、碧眼はまるで澄み切った湖のように深い。
近寄りがたさえ感じる美貌に加え、王太子はこの国一番の剣士だって、メイドたちが噂していたのを耳にしたことがある。熊と対峙した時の彼を思い出すと、すべてが一致する。
そんな相手を自分から「恋人」だって紹介するなんて……。
レオナは彼の正体に気づいていない様子だったけど、後半、ギルバートの様子がおかしかったのは、そのせいか! ようやく納得した。
どうしよう、そんな王族を相手に婚約するとか、私には無理だわ。
アレク様の顔をジッと見つめる。
お互いの利害は一致している。充実しているこのスローライフが継続できるなら、この申し出も悪くないんじゃないかしら。
「それにまぁ、イケメンだし。性格はちょっとアレな時もあるけど……。カバーできるほどのルックスだし……」
「おい、口から出ているぞ」
思わず本音が口からこぼれるも、アレク様は気を悪くした様子はない。
「じゃあ、決まりだな」
アレク様はニッと口の端を上げて笑う。突如、すっと地面に膝をつく。
私の右手を取ると、手の甲に口づけを落とす。
えっ、ええっ……!!
魅力的な行動に心臓がドキドキと高鳴り、頬が熱くなる。
「わが魂をあなたに捧げます。共に生き、隣で笑い、伴侶として永遠に仕えます」
「ちょっ、ちょっと待ってください!」
握られた手にギュッと強い力がこもる。
こんな正式な誓い、本当に婚約するみたいじゃない。
さきほどまでの冗談めいた空気は消え去り、真剣な眼差しを向けるアレク様。背中が汗をかき、手を引っ張ろうとするが、彼がそれを許さないとばかりに強く握りしめた。
「この命尽きるまで、共に歩むと誓います。――アレクシード・ロイドバーク・エルバーハの名に懸けて」
……えっ……?
聞こえた名前に言葉を失う。エルバーハって……。
「な、名前が……」
「ああ、長いだろう。今まで通りアレクで構わないし、堅苦しい『様』もいらない」
そ、そこじゃなくて……!!
「エルバーハって、まさか……!!」
王族なの!?
高位貴族と思ってはいたが、まさかそこまでとは……!!
「知らなかったのか? 薄々気づいていると思っていた」
スッと立ち上がるアレク様に向かって、首をブンブンと大きく横に振る。
ちょっと待って、ちょっと待ってよーー!!
名のある貴族かと思っていたけど、まさかの王太子と聞き、驚くなんてもんじゃない。
いつもラフな格好をしていたけど、にじみ出る王者のオーラはそのせいか!!
アレクシード・ロイドバーク・エルバーハ。
確かに、この国の第一王子の名前だ。私は舞踏会などまったく出席しなかったので、公式の場で姿を見たことがなかった。それにまさか、王太子がこんな場所にいるとは誰も思わないでしょう!!
今考えると思い当たることがある。
陽光を閉じ込めたような金髪、碧眼はまるで澄み切った湖のように深い。
近寄りがたさえ感じる美貌に加え、王太子はこの国一番の剣士だって、メイドたちが噂していたのを耳にしたことがある。熊と対峙した時の彼を思い出すと、すべてが一致する。
そんな相手を自分から「恋人」だって紹介するなんて……。
レオナは彼の正体に気づいていない様子だったけど、後半、ギルバートの様子がおかしかったのは、そのせいか! ようやく納得した。
どうしよう、そんな王族を相手に婚約するとか、私には無理だわ。
