テオドールの所でアレク様と出会ってから、本当に毎日馬車で迎えが来た。雨の日なんかは正直助かったと思った時もある。それになにより驚いたのが、時にはアレク様みずからが迎えに来た日もあり、恐縮してしまったこともある。
「はい、背中を見せてちょうだい」
「うん」
ベッドの上で私に背中を見せるテオドール。あれからテオドールには魔力の話をした。自分が得体のしれない治療など受けたくないだろうし。悩んだ末、秘密を打ち明けるとテオドールは了承してくれた。テオドールはいつも素直に治療を受けてくれる。
「背中、とてもポカポカして気持ちいいよ」
「良かった。咳も出なくなってきたかしら?」
「うん。リディアに治療してもらうと、しばらくは大丈夫なんだけど、夜になると咳と熱が出てくるんだよね。なんでだろう?」
首をひねるテオドールだけど、背中に触れると時折、違和感がある。前から薄々思っていたけれど、ただの病気じゃないのかもしれない。私の直感が告げている。
ちょっと調べてみようかしら。
「でもリディア、毎日来てくれるけれど、忙しくないの? 畑で野菜作ったりとか、療養施設にも顔を出しているって、前に言っていたよね? 僕はリディアが毎日来てくれてすごく嬉しいけど……」
こうやって私のことを考えてくれるテオドールの優しさに、心がじんわりと温かくなる。
「ありがとう。テオドールは私の立場に立って考えてくれるなんて、優しいわ。同じ兄弟でも、こうも違うのね」
口からポロッと、つい本音がこぼれてしまった。
「――誰のことを言っている?」
背後から聞こえた声に、ヒッと叫びそうになった。この声は――。
「お兄さま」
テオドールは入口付近に視線を向けると、笑顔を見せる。
「治療は終わったか?」
「うん、リディアの治療は、体がポカポカするんだ」
元気よくベッドから下りたテオドールはアレク様に駆け寄った。
「そうか、良かったな」
フッと優しい眼差しをテオドールに向けるアレク様。本当に弟を心配しているのが伝わってきた。
「それで、テオドールと誰が違うって?」
ふと思い出したのか、私をジロリとにらむ。
気まずい私は視線を斜めに逸らす。
「いえ、仲良し兄弟だな、って思いまして」
「話が変わっているだろう」
「そうでしたっけ?」
首を傾げてとぼける。アレク様は目を細めて私を見るが、特に気を悪くした様子はない。
テオドールを通じて少し距離が近づいたのは確かだ。
アレク様は小さく息を吐き出すと、チェストに置いてある水差しに手を伸ばす。
「薬の時間だろう。水を持ってくる」
みずから弟のため準備しに退室したアレク様の背中を見送った。
「お兄さま、ここに来てすごく楽しそう。きっとリディアがいるからだと思う!」
テオドールは口に手を当てて、クスクスと笑うが、そんなわけない。
「はい、背中を見せてちょうだい」
「うん」
ベッドの上で私に背中を見せるテオドール。あれからテオドールには魔力の話をした。自分が得体のしれない治療など受けたくないだろうし。悩んだ末、秘密を打ち明けるとテオドールは了承してくれた。テオドールはいつも素直に治療を受けてくれる。
「背中、とてもポカポカして気持ちいいよ」
「良かった。咳も出なくなってきたかしら?」
「うん。リディアに治療してもらうと、しばらくは大丈夫なんだけど、夜になると咳と熱が出てくるんだよね。なんでだろう?」
首をひねるテオドールだけど、背中に触れると時折、違和感がある。前から薄々思っていたけれど、ただの病気じゃないのかもしれない。私の直感が告げている。
ちょっと調べてみようかしら。
「でもリディア、毎日来てくれるけれど、忙しくないの? 畑で野菜作ったりとか、療養施設にも顔を出しているって、前に言っていたよね? 僕はリディアが毎日来てくれてすごく嬉しいけど……」
こうやって私のことを考えてくれるテオドールの優しさに、心がじんわりと温かくなる。
「ありがとう。テオドールは私の立場に立って考えてくれるなんて、優しいわ。同じ兄弟でも、こうも違うのね」
口からポロッと、つい本音がこぼれてしまった。
「――誰のことを言っている?」
背後から聞こえた声に、ヒッと叫びそうになった。この声は――。
「お兄さま」
テオドールは入口付近に視線を向けると、笑顔を見せる。
「治療は終わったか?」
「うん、リディアの治療は、体がポカポカするんだ」
元気よくベッドから下りたテオドールはアレク様に駆け寄った。
「そうか、良かったな」
フッと優しい眼差しをテオドールに向けるアレク様。本当に弟を心配しているのが伝わってきた。
「それで、テオドールと誰が違うって?」
ふと思い出したのか、私をジロリとにらむ。
気まずい私は視線を斜めに逸らす。
「いえ、仲良し兄弟だな、って思いまして」
「話が変わっているだろう」
「そうでしたっけ?」
首を傾げてとぼける。アレク様は目を細めて私を見るが、特に気を悪くした様子はない。
テオドールを通じて少し距離が近づいたのは確かだ。
アレク様は小さく息を吐き出すと、チェストに置いてある水差しに手を伸ばす。
「薬の時間だろう。水を持ってくる」
みずから弟のため準備しに退室したアレク様の背中を見送った。
「お兄さま、ここに来てすごく楽しそう。きっとリディアがいるからだと思う!」
テオドールは口に手を当てて、クスクスと笑うが、そんなわけない。
