この恋に名前をつけるとするならば


そして次の日、いつも通り出勤すると、朝から社内メールで本社から連絡が入っていた。
緊急会議の為に営業さんを事務所に集めるように指示が入っていたのだ。

わたしは各営業さんたちに連絡を入れ、久しぶりに営業会議の為に営業さんたちが第二支店に集合した。

13時に本社とのテレビ会議が始まると、本部長から店舗を増やす報告があり、しかもその数は一気に3店舗。
その上、その3店舗とも第二支店で管理するようにとの指示だった。

ただでさえ、ギリギリの人数で回しているのに、一気に3店舗も増やすという本社の考えに、困惑する営業さんたち。
それは気持ちはわたしも同じだった。

第二支店の事務員は、わたし一人だけ。
今のままでも充分ギリギリの状態だ。
そこに更に3店舗も増えるだなんて、考えただけでゾッとしてしまう。

しかし、本社の指示は絶対である。
第二支店のただの事務員であるわたしは、指示に従うしかなく、これから3店舗をオープンするにあたっての準備で多忙になる事は間違いなかった。

案の定、わたしの業務は膨大に増えてしまった。
休憩時間など取ってる暇もなく、残業は当たり前になった。

つい最近まで17時半に退勤できていた日が懐かしく感じてしまう程だ。

平日だけでは時間が足りず、土日も休日出勤をして新店舗に向けての準備を進めていった。

ただわたしは、命くんが誘ってくれたシークレットライブがある日だけは、絶対に仕事を休んで行こうと決めていた。
その日を楽しみに、わたしは毎日必死に働いた。



そして、待ちに待ったシークレットライブがある土曜日。

わたしはお昼に目を覚ますと、顔を洗う為に洗面所へと向かった。
そこで鏡に映る自分の顔を見て、驚いてしまう。

(酷い顔······)

最近、まともに自分の顔を見ていなかったが、目の下のクマが酷く、何だか頬もコケたような気がする。

(こんな顔、命くんに見せられないよ。)

わたしは何とか化粧で誤魔化そうと、念入りに時間をかけてメイクアップさせていった。