この恋に名前をつけるとするならば


命くんの代わりに駒場さんが集荷に来て、帰ってから、わたしは仕事が手に付かなかった。

そして、パソコンでGoodleを開き、"アッシュリーガル 命 白猫運輸"と検索してみた。
すると、ネット内からはその情報がたくさん出てきた。

『いのちくんが白猫運輸で働いてたらしい!』
『前にめちゃくちゃ似てるイケメンいるなぁ〜って思ったことあったけど、本物だったのかも!』
『うちにも配達来てほしかったー!』
『今までよく気付かれなかったよね!』

(本当だ、みんなに知れ渡っちゃってる。)

ネット内には、たくさんの命くんの画像が溢れていた。
どれもライブ中に隠し撮りされた画像だったり、芽衣さんが運用しているSNSに載せられたメンバー画像だったり、"アッシュリーガル"としての命くんの画像ばかりだが、どちらかといえば、わたしの中では"アッシュリーガル"の時ではない···――――

いつも「ども〜、白猫運輸でーす!」と集荷に来てくれる命くん。

"俺、凪原さんの事、もっと知りたいです。"···――――
"俺にもチャンスあります?"···――――
"俺と二度目のデートしてくれませんか?"···――――

飾らない、無邪気で素直な命くん。

(命くん···、大丈夫かなぁ······)

わたしは、駒場さんが置いて行ってくれた白い犬のマスコットを両手に包み込んで見つめると、命くんの事ばかり考えていた。

わたしの他には誰もいない、静かに機械の音だけが響く事務所内でわたしは一人、ただただ時間が過ぎていくのも忘れ、ぼんやりとしながら、直視出来なかった命くんの笑顔を思い出していた。